10.22

先生は来なかった。

iちゃんと一緒に研究室に印刷に行った。エレベーターの中などでさりげなく未来について話してみた。頭のウォーミングアップになれば。

アイディア出しのために集めさせた変化の兆しを発表させながら思ったことやアイディアを付箋に書かせて貼ってもらった。iちゃんが記録係として積極的に書き込んでくれた。また、ホワイトボードには変化の兆しの概要を書き込んでもらった。私が書こうとしたらtくんが「俺がやりますよ」と積極的に声をあげてくれた。たまに書くことを忘れてしまうので声かけをした。

思ったより盛り上がって時間がかかってしまい、11時ごろまで共有タイム。休憩を挟んだ。4年生2人と購買に行ってお茶とさけるチーズを買った。4年生に「先輩らしくやってくれて嬉しい」という話をした。

後半はマッピングを行なった。希望的観測が多かったが、そこに貼られている付箋を剥がして改めてマッピングしてみると、希望的観測から出てくるアイディアや意見は懸念的な場所にマッピングされることが多いと自分たちで気づいてくれた。

そこからアイディア出しを行なった。紙を使って描いてもらった。イラストを使ってねと言ったが書けない子もいた。イラスト使ってねというのはm社のインターンから。

アイディア出しは10分延長して2案が1案になったりしたが一応出て来た。tくんの一次情報からでてきた介護ロボットの案がかなりよかった。

36メソッドの案をひとつ使って印刷して3年にが欲しがったので渡しておいた。

全体的に少し進行役になりすぎたかもしれないので次は気をつけようと思う。

 今回の特別講義はSITE4Dの熊本さんの講義。大学三年の終わりにはソニーに入社してデザイナーとして勤務。今手掛けているのは、ファイターズ移転のための新しいドームのデザイン。ソフトとハードを同時進行で進めている(
日本ではハードを優先しがちで、同時進行するのは珍しいらしい)。野球場を作るという感覚から街を作るような感覚へ進んでいる。

 データの可視化。経営データの可視化を行なっている。無人ショベルカーの動きを可視化するなど。データアナリストになると言えば明日にでもなれると言う。

 次は電子楽器。電子楽器のハード(シンセサイザー)のデザインも行なっていると言う。ドラムが叩き始めるとどこで叩かれているのかわかる仕組み、弦の揺れから音を可視化する仕組みなど。動きは可視化できると話してくれた。

 その考え方の究極系がスポーツだと言う。戦術データ動作データ競技データという三つの他に、生体データというデータも生まれてきているそうだ。

 

いくつか説明してくれた中で、一つ目のモータースポーツは自分でも馴染みのある分野だったのでとても面白かった。熊本さんたちが入るまでは手動計算がほどんどだったというのでとても驚いた。今はレース中に一秒刻みでデータが取れるようになってきたという。タイヤをどう選ぶかの話やどこで相手を抜けばいいかなどもデータとして分析チームが分析していることがわかって感動した。

 スポーツの内容をファンに伝えるために可視化するという話にはなるほどと思った。可視化の意義がよくわかった。

6.04

今回の特別講義は「防災ガール」というキャッチーなネーミングを持ってきた田中さん。東日本大震災の時に卒業し、日本がエンタメがなくなり鬱っぽくなるといいうこと、「同じことを繰り返したくない」という思いから防災ガールを立ち上げた。日本の災害対策は「そもそも論」が全くされていないという現状に疑問を感じていたという。

 防災ガールはボランティア130人、九割五分が女性。チームの全員専門界では無いところもポイント。重要だけれど古臭い、やりたく無い旧来型の避難訓令などに代わり、新しい価値を提案した。

 若者の4人に一人しか防災対策をしていないという日本。選挙の比率と近い比率だそうで、いくら周りの防災を高くしても若者たちの意識が変わらないことが問題。それに対して防災ガールは、例えば防災グッズ。おしゃれな女性向けのデザインをした。防災に関しての情報もただの読みづらい文章ではなく、インフォグラフィックに起こして読みやすくした。次世代版避難訓練としてイングレスとコラボした避難訓練も実施した。

初めの頃はなかなか批判も多かったそうだが、今は1日に一件は自治体から連絡が来るようになったという。

 

 

私自身東日本大震災を経験したが、今回の話のように自分から何か動きたいと思うことはなかったので、すこし自分のことを恥ずかしく思った。

紹介された防災ガールの制作した防災グッズがとても可愛かったので、ぜひ欲しい。

イングレスと組んだ避難訓練はとても面白いと思った。若者向けのイベントとして考え方がとてもいい。やりたくなる防災という考え方がとても素敵で、防災はやらなければいけないことだけれども、そんな気持ちを吹き消すような勢いを持っている防災ガールの仕組みは今後もきっと評価されて行くだろうと思う。

5.28

 本日の特別講義は山崎先生自身のポートフォリオについて。先生は毎年ポートフォリオを更新しているそうで、その理由は「来年ここにいないかもしれないから」だという。今の立ち位置でもそのように考えて意欲的に動ける先生はすごいと思う。一つ目に載せてあるのはシンクパット。グッドデザイン大賞も受賞していると書いてあった。25年前には製品として提案していて、この原型から今のモバイルコンピューターは派生していると話していた。他にもデスクトップPCのデザインや液晶、ウェブサイトなども紹介してくれた。もっとも失敗した製品の一つとして出てきたのは紙とPCを両立させたノート型PC、trans noteだという。色々な賞をもらったにも関わらず、ビジネス的には失敗し、ほとんど売れなかったという。また、17年前にはウェアラブルコンピューターとして時計型のコンピューターを出していたというので、とても驚いた。

 また千葉工大に来てから作り出したものも多く紹介されていて、こんなものを作っていたのかと驚いた。特に蛇口のあかりはとても素敵で、私もこんなものを作れたらなあと思った。

 

 後半では山崎先生が将来に向けてやっていることを話してくれた。今はデザインが大きく変化する時代で、デザイナーの役割も大きく変わる時代だと考えているという。一つ目は大学での学び。知能メディアでのことや、ヤマケンでのことについて話してくれた。知能メディアはほぼ全ての領域が必修で、先生はひとつひとつの領域しか知らないが学生は全ての領域を知っているという状態ができあがる。ヤマケンでは様々な企業と第一線でプロジェクトを行うことで、学びを深めている。二つ目として、植物との新しい体験のためのスタートアップ。サービスを考えプロトタイプをし、今実際にデータを取っているのだそうだ。三つ目、大人の学びの支援として、Xデザイン学校について。社会人のための新しいデザインの学校としてスタートアップした学校。月に一度土曜日に学び合う体験を目指している。4つ目、シニアの学びの支援。熱中小学校という名前で隔週土曜日に先生は図画工作を教えている。五つ目は子供のスタートアップ支援。VIVITAについて。VIVITAは友達からよく話を聞いていて今回の話の中では一番身近だった。子供と大人が対等になるという子供中心の考え方がとても好きだなと思った。六つ目、社会のためのデザイン、ソーシャルクリエイティブ・イニシアチブ。最後に先月から始めたという、できたてのプロジェクトだった。

5.14

 今回の特別講義は地域と社会とデザインというテーマで、梶本氏の講義。以前はGK京都に務めており、ヤマハのバイク、ジェットスキースノーモービル、あるいは鉄道車両のデザインなどを務めていたという。ちなみに、GKとはグループ小池の略であり、東京藝術大学の小池教授の元に集まった学生たちが立ち上げた会社なのだそうだ。梶本氏は会社の中で前半はプロダクトデザインを、後半に入ると環境系の仕事に携わることが増えた。今回説明してくれたのは、主にそんなデザインである。

 話してくれたのは、にぎわいというテーマを軸にしたデザイン。賑わいとは、イベントや祭り事、住民参加、環境産業商業の活性化と言ったことが挙げられる。長野県の温泉町で企画、デザインをした例として、葛飾北斎をテーマとした長屋祭りの企画や、大阪城の夜のライトアップの企画などを紹介してくれた。「ヨシ」を演出装置として使用したライトアップで、住民参加で地元のお花屋さんに飾り付けをしてもらったりなども行なったという。そのほかにも、歩行者用の歩道を広げて車道を狭くしたら、という社会実験もあった。お揃いのtシャツなども作り、楽しみながら行なったという。実際に実験の後には歩道が拡張され、実験の通り人と車の交通量の操作に成功しており、印象的だった。

 

 今回の講義では、「にぎわい」というテーマがとても心に残っている。イベントや祭り、住民参加、観光産業商業の活性化という三点がとても具体的で、これからのことのデザインにとってもとても重要なものであるのではないかと感じた。実際に具体例を多く見せていただけたので、イメージもしやすかった。上に書いたものの他にも、イベントは廃棄物をできるだけ出さないことをテーマに行ったワークショップなど、様々な工夫は見せていただけでとても楽しかった。

5.07

 この日の特別講義は先名康明氏。Mistletoe(株)のProducerとして、スタートアップをしたい企業に投資を行なっている。講義のあちらこちらで学生に能動的に参加させるシーンなどがあり、楽しんで参加することができた。「out-of-the-box」ですすめるという話もあり、この講義で使用したメモ用のノートは見返してもキーワードだけがちらちらと並んでいる。

 まずは「デザイン」とは何かという問いに対し、先名氏は「やりたいこと、目標、想いの実現のための具体的なアイディア」だと答えている。そしてスタートアップは未来をデザインすることに当たり、今急速にそのスタートアップ事業が進んでいるという。

 また今の時代は急速に物事が発展し、世の中が様々な動きを見せている。この中で現役を担うことができる私たちはとてもラッキーな世代だと先名氏は語っていた。

 AIについて。アラン・ケイは「未来を予測する最良の方法は、それを発明してしまうことだ」と述べたと言う。またピカソは「PCもAIも自分で課題設定はできない」と語ったそうだ。様々な偉人の言葉から、これからの世の中はどうなろうと自分たちの力が必要になるのだろうと考えることができる。

 

 さて、先名氏がスライドに入れ込んだ学生が能動的に参加するシーンはどれも面白く、中でも楽しく参加できたのは「どんな素晴らしい未来になるか絵を描く」というものだった。私は「人がAIを怖がらない世界」「人がモノと仲良く暮らす世界」を素晴らしい未来と考え、絵を描いた。ただ雑然と頭の中で未来を考えるのではなく、きちんとイラストにアウトプットしてみると、自分が何をしたいのか具体的に見えてきて、これからどうしたいのかを考えるきっかけをいただけた気がした。私の描いた絵には、ロボットと様々な世界の人が笑いあっている。

4.23

 この日はイノベーション特論に続き藤原由翼さんの講義であった。はじめに自己紹介として話してくれたのは、AIトラベルという会社を立ち上げ、社長業が忙しくなりデザイナーとして動きづらくなったのでデザインエクゼクティブオフィサー(DEO)という職に移ったということ。大学2年生の時にはフリーランスのデザイナーとして活動をしていたという。「女性の鎖骨」という独自の魅力の解読をし、週3で30万稼いだという(すごい)。その後も新ブランドの立ち上げにブランディングから関わるなど、学生のうちから積極的に動く能動的な面が強かったからこそ今の立ち位置にいるのだろうと考えた。

 話の中でも印象に残ったのは、「勝手に20パーセントルール」という独自の手法についての解説のシーンである。藤原氏は若い頃からこの勝手に20パーセントルールを実行していると言い、そのルールの内容は、「3ヶ月後には自分はこのようなことをしているだろう」と想像し、その時に必要なスキルを考え、あらかじめそのスキルを身につけるため20パーセント努力すると言うものであった。この内容は今の数ヶ月で状況がガラリと変わる私たち学生にとってとても必要となる内容であると感じ、ぜひ実践したいと授業終わりに学生同士で盛り上がったのを覚えている。

 

  藤原氏の話を初めて聞いた時は、とてもエネルギッシュな人柄に少し驚いた。だが、話を聞いていくごとに、しっかりと芯の通った考え方や話し方にとても惹かれるところが多かった。私はきっとなれないだろうけれど、憧れるデザイナーの一人になった。

 また、学生にあらかじめアンケートを実施し、その質問に答えていくという後半の講義内容にはとても感銘を受けた。ただ自分が話をして終わる講義ではなく、こうして学生のためになるようコミュニケーションを取って講義を組み立ててくれるという面を見て、デザイナーとしてとても優れている人なのだろうと改めて感じた。これから少しずつでも真似していきたい。